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令和2年度センター試験 国語 問題解説<漢文>

センター試験解説も最終回を迎えました。

最後は受験者があまり多くないであろう、第4問の漢文です。

 

久し振りに漢詩が出たので、混乱した人もいるのではないでしょうか?

また、本文内容を図示した問題が出るなど、<大学入学共通テスト>への移行へ向けた動きも見せています。

 

それでは、最終回。

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4 謝霊運 『文選』より

今回の漢詩には長めのリード文がついていますので、しっかり読みましょう。

リード文は本文の導入であることはもちろんですが、漢詩の場合には要約となっていることもあります。

最終問題の内容一致でも活用できますので、きちんと読んでおきましょう。

また、漢文では注釈が大きなヒントになります。こちらも見逃さないようにしましょう。

 

各設問の特徴、見るべきポイント

問1はセオリー通り、「語句の読み」についてです。

問2は「返り点と書き下し文」の問題です。

問3は傍線部を図示したものを選ぶ問題。イラスト問題です。

問4は空欄補充です。

問5は表現についてです。

問6は「筆者の心情」についてです。

 

詳細解説

問1 語句の読み

これは知っていれば本文を読む必要が全くない問題ですので、即答するのが理想的です。

漢文での重要単語を普段から覚えていた人には難なく解答できたでしょう。

中央大学の文学部などでも、重要単語の読み方を聞かれます。

 

問2 返り点と書き下し文の問題

書き下し文がついている場合には、書き下し文から考えた方がよいでしょう。

今回の問題では、「不」「非」という否定語

また、本文が漢詩文なので、対句】を考えましょう。

したがって、2句目は1句目と同じように返り点をつけると考えると、①か②に絞れます。

続いて、3句目と2句目の関連性を見てみましょう。

「不同」という語が共通していますので、こちらの扱い方は同じになります。

そうなると、②しか残りませんので、こちらを選択しましょう。

 

問3 イラスト問題

最初に見たときには、驚いたかもしれませんが、傍線部をきちんと読めば難しくありません。

方角の読み取りが重要です。

 

①扉は南の川に面している

②水を取り入れている

③家の塀は木を植えている

 

これらの要素がわかれば、解答は②しかありません。

 

センター試験の英語の問題でも、このようなイラスト問題があると思います。

国語で出るのは珍しかったかもしれませんので、慌ててしまった人もいるでしょう。

しかし、冷静に傍線部を分析するだけで解答を出すことができますので、要素を抽出しましょう。

 

また、<大学入学共通テスト>では、このような問題が出ることが予想されます。

現在1,2年生の方は今のうちに練習しておきましょう。

 

問4 空欄補充

問題文が漢詩+句の最後の空欄補充=押韻

です。

偶数句末の母音を確認していくと、「-ou」を入れることがわかり、選択肢は①か③に絞れます。

その後、前句にある「戸」に注目すると、①が当てはまる。

 

漢詩では、【対句】押韻が頻出文法ですので、常に頭に入れておきましょう。

 

問5 表現について

表現に関する問題は、古文の解き方と同様ではあるが、漢文ではほとんど見たことがない。(記憶している限り、センターでは初)

解き方としては、本文の内容から選択肢を見ていこう。

今回は「適当でないもの」を選ぶ問題だったので、難しくないだろう。

 

なぜなら、リード文にほぼ答えが書いてあるからである。

 

すでに筆者は家を建てている。

そして、傍線部以降に歴史上の人物を盛り込み、微笑ましい情景を出している。

 

これが分かればおのずと答えは出るだろう。

 

問6 筆者の心情について

筆者の心情を回答する問題ではありますが、<小説編>と同じように考えましょう。

基本的な考え方は何度も言っていますが、

【原因・理由】→【心情】→【発言・行動】

です。

つまり、傍線部直前の内容を含めて、解答をする問題なのです。

 

つまり、問5の内容も解答の根拠になるということです。

 

「歴史上の人物2名のように、親しい人と眺めたい。」というのが筆者の願いでしょう。

   

 

 

これはあんまり参考にならないかもしれませんが、

私の持論を紹介します。

それは、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一番カッコイイ選択肢が正解!!

 

です。

漢文とは、美しいお話が多いものです。

例えば、

  • 一国の王がとるべき考え方
  • 人としてあるべき姿

などです。

 

教訓のような内容が多いので、最後の締めには「決まっている」選択肢が正解になりやすいのです。

 

本文の内容が全く分からない場合には、だめもとでやってみるのも手かもしれません。

※ただし、責任は負えません。

 

 

 

<配点>

問1 4点×2問

問2 8点

問3 8点

問4 8点

問5 9点

問6 9点

 

合計 50点

 

難易度:標準

 

 

<評論編>

 

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<小説編>

 

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<古文編>

 

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